過去問を時間内に速く確実に解く方法

この時期になると過去問に取り組む生徒が多くなってくる(ハッキリ言って、今だと、始める時期が遅すぎるのだが…)。
そして次のような質問が、よくなされる。
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「時間内に終えられない」
「速く解くにはどうしたら良いのか?」
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[1]
過去問には早い時期から取り組んで、その形式にしっかりと慣れることが第一だ。
その練習が足りないから、遅くなってしまうのだ。
[2]
結局「憶えていることがら」が多いほど、速く解くことが出来る。
例えば数学で三角関数の「和積・積和の公式」は「憶えなくて良い公式」の代名詞のように言われている。
(私自身は『憶えなくて良い公式』など存在しない、と思っているので、生徒達には「憶えなさい」と言っている)
さて数年前のセンター試験に、この公式を使えばすぐに解答できる問題が出た。
多くの人は「ここで『和積・積和の公式』を導くことが出来るかどうかがポイントだ」などと言っていたが、私は「憶えていた生徒に憶えていない生徒は100%勝てない」が立証された問題だと思った。
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実は「小論文」が時間内に書けない場合も同様なのだ。
小論文の場合、憶えておくべきことは以下の3つ。
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① 書き方の基本となる「型」
② ネタ(小論文関連テーマ)と解決策
③ ニュース等の具体例
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① について
自分自身が信頼する方法に基づく「書き方」をしっかりと理解して憶え、使いこなせる状態にしておく。
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② について
自分が用意した(あるいは学校や塾の先生に推薦された)小論文によく出るテーマが書かれている「参考書など」の「テーマ解説」「キーワード解説」を、しっかりと憶えておく。
そしてその本に書かれているであろう「解決策」もきちんと憶えるのだ。
解決策に関しては、そうした本に書かれていないものもあると思われるので、自分なりにいくつか準備しておく必要もあるだろう。
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③ について
ニュースを論文で書くためにも、使えそうなニュースはストックして、ちゃんと憶えておかねばならない。
しかしそれだけがニュース暗記のメリットではない。
ニュースを暗記することは、課題文を「要約」する際の具体的事例を思いつくことにつながるのだ。
ご存知のように入試課題文は非常に抽象度が高いものが多い。
それを要約する際、どうしても具体的事例と結びつける必要がある。
そうした事例として、直近のニュースは極めて有効なのである。
それだけではない。
ニュースを知ることは、現代の時事問題に関して考えることであり、現代思想の潮流に触れることになる。
従ってアカデミックな解決策や、ニュースを見ない受験生が持っていない視点からのアプローチも可能になるのである。
まさに一石数鳥!
小論文にとって(いや現代文にとっても)ニュース暗記ほど役立つ勉強法は無いのだ。
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そして「憶える」ためには「カード」を使うことがベスト。
いや、それしかないと思われる。
「カード」を使って「見ずに説明する練習」つまり「セルフレクチャー」の練習をし、それを繰り返す。
定期的に時間をおいて繰り返す、という工夫をするのである。