大学受験小論文=簡単書き方のコツを大公開?(13) 【要約について①】

小論文大学受験の小論文には「要約」がつきものです。では、そもそも要約とはなんなのか?ということを考えてみたいと思います。

要約とは

要約とは、課題文を読んで筆者の主張を簡単にまとめることを言います。大学受験小論文でよく出題される形式は、

問1 筆者の主張を◯◯◯字で述べよ。(200~400字の指定が多い)

問2 自分の考えを◯◯◯字で述べよ。

一橋大学の国語の第3問は、このカタチです。

だいたい2,000字のものを200字に要約せよ、というものですね。

慶應義塾大学の法学部は、全部で1,000字のうち最初の400字~500字は、筆者の主張の要約を求めています。

大学入試小論文では、まず長い課題文を読ませて、問1で筆者の主張をまとめさせ、問2で自分の考えを述べさせる、というパターンが、非常に多いのです。

つまりこういう流れです。

※ 課題文(2,000~4,000字) ⇒ 要約 ⇒ 自分の意見

ここまでは主に、「自分の意見をどう述べるのか」という話でした。

もちろん、それが「小論文」のカテゴリーです。

「自分の意見を述べる」という行為が小論文ですからね。

課題文を読んで、筆者の主張を要約せよ、という形は、実は「現代文」の領域です。

現代文と小論文の大きな違いは、まさにここなのです。

つまり「あなたはこう言いましたよね」という確認が現代文で、それに対して「私はこう思いますよ」ということが、小論文なのです。

さて、「小論文」という入試問題で、実は「要約」が頻出なのです。出ない方が珍しいくらいです。必ず出る、と言っていいくらいです。

ということは小論文の授業の中でも、本来は現代文の領域である「要約」について、きちんとアプローチしなくてはいけません。

次の「要約の鉄則」を憶えて下さい。鉄則ですから例外がありません。どんな要約であっても、この鉄則に従うのです。(いいですか、憶えるのですよ!)

要約の鉄則

①課題文を読んでいない人にも、②筆者の主張が分かるように、③分かりやすく書く。

①・・・ 要するに、まったく何も知らない人に分かってもらうように、ということです。
②・・・ この「筆者の主張」とは「課題文の内容」と完全に合致するとは限らないので、要注意です。
「筆者の主張」が分かるように、なのです。つまり、課題文に書いてないことであっても、筆者の言いたいことすなわち主張が別にあれば、それを書くわけなのです。
③・・・ 分かりやすく書く、ということを言っています。

例えばジブリの映画には「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」とかそういうシリアス系、まじめな感じのものと、「魔女の宅急便」「となりのトトロ」とかの、ほのぼの系があるのですが、シリアス系には、一つの主張があるのです。

それは何か?「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」を見ていても結局これじゃないかな、というのは『自然と人間との共存』を言いたいのではないのか、ということです。

なんとか人間は自然と共存しなければいけないのではないか、ということを宮崎駿は訴えたいのではないかという気がするのです。

だからそれをズバッと言うのです。

「『風の谷のナウシカ』ってどんな映画?」と聞かれたときに、「大きな虫が飛んできて・・・」「小さな女の子がそれと戦って・・・」だと「なんだそりゃ?!アクション映画なの?!」となるでしょうね。そうではなくて「自然と人間の共存をテーマにした映画なんだよ」とズバッと言ってしまえば、ああそうなのか、と分かるわけです。

つまり、筆者の主張が分かるように、分かりやすくポンッと書くということが非常に重要なのです。

ではそのためにはどうするか、という話をします。

例えば中学受験の際に、次のような指導を受けることが多いようなのです。国語の勉強で、4つの段落の文章を要約するとします。

まず、第一段落で一番重要な文章はどこかな・・・で1つ選ぶ。これをAとします。

第二段落は一言でいうとこの文が重要だよ・・・で、それをB。

第三段落はここ・・・で、それをC。

第四段落は・・・D。

それで、それぞれ選んだ文をひっぱり出してきてつなげて、ABCDと書く。

これで要約ができた、とするのです。

それで良いの?

中学受験の初期の段階ならば、これでも良いのです。

しかしこれを、大学受験で実行する人がいるのです。

これでは絶対に、要約にはなり得ませんね。

言葉は「前後関係」で意味が決まります。

だから、単純に抜き出して書いても前後が無いと、よく分からない文になってしまうのです。

例えば「はし」です。

「箸」「橋」「端」のどれなのかは文脈で決まることですよね。

だからとりあえず「はし」だけ抜き出しても、意味がはっきりしないのです。

しかしながら、意味がはっきり分からないまま、とりあえず抜き出してひたすら書き写して、これが要約です、という人がものすごく多い。

これじゃ、絶対にだめです。

具体的なモデルから説明します。

4つの段落があってそれぞれその中に重要な文がA,B,C,D、ここまでは別にかまいません。

さてその中で、筆者がもっとも言いたいことは実はCだ、これを一番言いたかったのだ、と見抜けたとします。

その場合、このCを単に「抜き出す」のではなく、分かりやすく言い換えてC’にします。

そして、それを最初に書きます。

そしてそのCについてより詳しく書いてあるのは実はDだ、ということが分かったとします。

だからC’の説明として次にDを書くのですが、これも分かりやすく言い換えてD’にします。

そして、このC’とD’を補足するために、自分の言葉でうまく補足説明できる文、例えばPという文を思いついたとします。

そうしたらそれをその次に書くわけです。

それで終わり、なのです。

つまり要約は、C’D’ P となるわけです。

AとBはどうなったのか?

AもBも例えば、具体的説明の内容だった、ということが分かったとすれば、要約には不要です。

全部書かなきゃいけない、と思うと、筆者の主張がボケてしまいます。

要約は本文の内容を濃縮ジュースみたいにギュッと濃縮させたり、あるいはサンドウィッチみたいにギューッと挟み込んだりする、ということではないのです。

筆者の主張を分かりやすく説明することが要約です。

ですから、今回の場合はC、すなわちC’があれば、それで充分なのです。

ひとことでいうとC’です、それでもうOKなのです。

文字数の関係及び説明の仕方の関係からD’やPがあった方が良いですね、ということで書いてるに過ぎないわけなのです。

要約の三原則

このような考え方から、「要約の基本三原則」というものが生まれました。

◎ 順序を変える
◎ 表現を変える
◎ 全てを書かない

「原則」ですから「鉄則」と違って例外があります。

それについては、後で述べます。

まず順序を変える、とはどういうことか。

先ほどの説明で分かる通り、Cが一番重要だというのだからCから書けばいいじゃないか、ということです。

A,B等、本文の順番を考える必要はない、最も重要なものから書けば良いのです。

ただし、英文をはじめ、重要な順に書かれている文章の場合は、わざわざ帰る必要は無いですよ。

表現を変える、とはどういうことか。

これも先ほどから申し上げているように、そのまま抜き出すのではなくて、分かりやすく言い換える、ということです。

C’やC’、場合によってはPなどのように、自分で作り出しても構わないのです。

ただし、平易な言葉で書かれている文章の場合はわざわざ言い換える必要はないですね。そうした場合は例外になります。

全てを書かない、とはどういうことか。

例えば、A,Bは具体的な内容だから書かなくて良いと判断して書かない、といことなのですね。

例えば以前申し上げた、一橋大学の国語の要約問題は200字です。

そうすると、本文の内容全部を書けるわけがない、と思いませんか?だからある程度絞り込まなくてはいけないですよ、ということです。

しかし例えば慶應義塾大学の法学部の小論文の問題は400~500字で要約します。

これだけの字数があれば、本文の全てを書くことが出来ますですからこれは、例外ですね。

要約の鉄則と三原則は完璧に憶えて下さい。

毎年、冬の講習会で憶えているかどうかの確認をするのですが、これをきちっと憶えている人は、大抵、合格するのです。逆に、憶えていない人は・・・・。

ですから、正確に完璧に憶えて下さいね。

また、ときどき予備校の先生や学校の先生で「要約は本文の順序は変えずに、本文の表現をそのまま用いて、全てをまんべんなく書きましょう」という具合に指導される方がいらっしゃいます。

私と真逆ですよね。

さて、困りました。。。

実は、そういう要約が出来れば、それは本当に理想的な要約でしょう。

それを目指す勉強も、間違ってはいないでしょう。

しかし本当にそれは「理想」であって、現実的ではないのです。

つまり、そうした要約をうまく書くことは「至難の業」なのです。

だから、そんな理想を押し付けても、だめだと私は思うのです。

やはり現実に対応した書き方を学んで「合格点」を取る、ということも大切だと私は考えます。

ものには順序というものが、あるのですからね。

さて、筆者の主張はどう掴めば良いのか、と、よく聞かれます。

そこで思い出して欲しいのですが・・・小論文を書くときのポイントとして、私は何と言いましたか?

小論文とはそもそも何でしたか?確か「定義」しましたよね?

そうです。

「小論文とは未来に対する建設的な提案」なのですよね?

ということは、いわゆる評論と呼ばれている文章(文学的文章ではないもの)においては、筆者の主張は未来にあるのですよ。

まさに多くの評論は、未来に向けて提案をしているのです。

だから、未来に向けて提案されていること、それが「筆者の主張」になるのです。

だから要約を考える時、とにかく筆者の主張を掴まなくてはいけないのですけれども、この筆者の主張は「未来」にあるのだ、つまり未来に向けて何を発信しているのか、ということをしっかりと掴む必要があるのです。

それを考えながら読めば、だいたい掴むことができます。もちろんこれも、例外はありますけれどもね。

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