交通事故などは老害なのか?大学受験時事小論文添削と講評の実例

老害・・・社会がそのような認識を持つようになって、久しいです。

しかし本当に「高齢者=老害」なのでしょうか?

なんとか悲劇を回避することは出来ないものなのでしょうか?

今回のニュースを見ながら、そんなことを考えました。

それでは今回の課題にまいりましょう。それでは、こちらの課題に対する、皆様の答案を紹介いたします。

まずは課題を再掲載しますね。

産経新聞 2017年5月3日(水) 7時55分配信より(再掲載)

以下のニュースを読み、200字以内で問題点を指摘して解決策を述べよ。

 高齢者による交通事故が後を絶たない。アクセルとブレーキの踏み間違いなど運動機能の低下に起因するものや、認知症によるものなど要因はさまざまだ。国は道交法を改正し認知症対策を強化したり、免許証の返納を求めたりしている。
2016年10月には横浜市港南区で、集団登校の小学生の列に男性の軽トラックが突っ込んで小1男児が死亡し、別の児童ら6人が負傷した。2016年11月にも、栃木県下野市の自治医科大病院の玄関付近に男性の車が突入して1人が死亡、2人がけがをした。いずれの事故も男性は80代だった。
対策として2017年3月に施行された改正道交法では、臨時の認知機能検査が導入された。検査で「認知症の恐れ」と判定された75歳以上の運転者は、違反の有無にかかわらず医師の診断が義務づけられ、認知症と診断されれば、免許停止か取り消しとなる。
ところが事故原因の全てが認知症とはかぎらない。2016年11月、東京都立川市の病院で2人をはねた乗用車の女性(83)も過去に認知症の診断はなかった。多くが一般的な運動能力や判断力の低下などが影響しているとみられ、「グレーゾーンに位置する運転手は多数いるだろう」と警察関係者は危機感を募らせる。
各自治体は高齢者に免許証の自主返納を勧めており、2016年の65歳以上の自主返納は約327,600件。前年より40,000件程度増加しているが、移動手段が狭まるほか、運転を自立の証しと感じ、返納に消極的な高齢者も少なくない。
車の代替手段として期待されるのが予約制の乗り合いタクシーやバスで、各自治体やタクシー業者が普及を進める。
警察関係者は、「郊外の交通手段確保や自動制御システム開発など、幅広い対策を検討する時期だ」と話している。

この課題に対する皆さんの答案を御紹介し、講評させて頂きます。

答案の紹介と講評

Hiroki さん / 200字

高齢者による交通事故は加齢による運動機能と判断力の低下に原因があり、機能の劣った人には運転させない方向と機械化と自動化により能力の低下を補う方向の両面から対策が進められている。移動に代替手段がないという問題が出てくるが、代替手段が少ない地域では近隣の生活範囲を移動できればよいので、近隣を自動運転できる技術開発を進めその範囲はナビゲーションと自動運転を条件に乗れるスーパーオートマ免許を設ければよい。

※ 講評
◎ ジャスト200字におさめた力量は大したものです。
◎ 第一文が88字、第二文が112字あり、やや長くてわかりにくい。2つに分けた方が良い。
◎ 内容は具体的で説得力があります。ただ「老害」そのものとしての、マクロな視点があれば、もっと良かったと思います。
◎ 評価は60%で、まずまずです。

りか さん / 193字

強制返還させることができるわけではないことが問題点である。ある一定以上の年齢になると認知症の診断は出なくても老化の影響で事故を起こす可能性は高くなる。しかし田舎などでは車がないと移動ができないなどの新たな問題が起こるため一概に高齢者は危険だから免許停止とすることができない。そのためには高齢者には確実に自動運転機能のついた車を普及させて事故を減らすことが解決策としてあげることができる。

※ 講評
◎ 第一文と第二文とのつながりがわかりづらい。第一文は、「しかし田舎などでは~できない。」の後にまわすべきではないかと思われます。
◎ やはり「老害」そのものとしての、マクロな視点があれば、もっと良かったと思います。
◎ 評価は60%で、まずまずです。

Aさん / 193字

今回のような高齢者による交通事故は、年々多くなってきている。運転への過剰な意識が原因だと考える。交通事故を自分が起こすわけないと考える高齢者が多いと感じているからだ。筋力や、視力の検査を実施し、一定の規則を作ることが必要だ。また、高齢化に伴い60歳以上でも働くことが当たり前になり、通勤などで車を利用する機会が増えている。会社は、公共交通手段の使用を促し、交通手当を支給すべきだと考える。

※ 講評
◎ 文と文の間に「つなぎことば」を入れて、わかりやすくつなぎましょう。第一文と第二文との間に「これは」、第二文と第三文との間に「すなわち」、第三文と第四文との間に「そこで」を入れましょう。
◎ 第五文・第六文は、第四文で提案した「検査」「規則」を実現するための方法を書くべきであって、話を急に「会社通勤」に絞ると面白くない。
◎ やはり「老害」そのものとしての、マクロな視点を持つべき。
◎ 評価は45%

Kさん / 197字

私はこのような老害は、あってはならないと思います。しかし、日本の高齢者が年々増えている現在では仕方がないのかもしれません。とは言えど、科学技術が進んでいる今日の日本ですからロボットを利用し高齢者の生活を支えていくべきだと思います。老害は、私たち若者にも大きく関わることですし、社会全体が 取り組む問題だと思います。私はこれからもどんなことが老害を引き起こすのか注視深く観察していきたいと思います。

※ 講評
◎ この方は以前も提出して下さいました。その際に「『~です』『~ます』は小論文では使ってはいけません」とコメントしたのですが、修正されていないようで、残念です。
◎ 「あってはならない」という主観的な言葉を安易に小論文で用いることは、あってはなりません。あなたの感想など、小論文では不要なのです。「仕方がないのかもしれません」という表現も頂けません。「とは言えど」も「しかし」で充分です。表現に凝れば凝るほど、却って逆効果なのです。
◎ 老害が若者に大きく関わる、社会全体が取り組む問題とのことですが、その理由が全くわかりません。
◎ 「観察」は解決策でしょうか?おかしいですよね。
◎ 「~です」「~ます調」だから、というだけではなく、内容的としても設問に対して全く答えられていません。
◎ 評価は0%。

ロドリゲス さん / 193字

いわゆる『老害』といわれている事象が頻発しているが、それに関して、高齢者への差別を生産するという問題がある。また、規制が行き過ぎるあまり、高齢者全体が対象となり、健常な高齢者も一括りにされ、不当な扱いを受けるようなことがあってはならない。改善策として、高齢者が豊富な経験を生かして社会貢献できる仕組みを整え、高齢者のイメージを向上させ、また高齢者が活力を得る一助とすべきであると考える。

※ 講評
◎ 冒頭で見事に「老害」そのもののマクロ視点に高めています。素晴らしい。
◎ 解決策は抽象的ではありますが、200字ではここまでで充分でしょう。
◎ 評価は88%。Excellent❢❢

大切なことは合格する小論文を書くこと

講評を終わります。
皆様、御協力ありがとうございました。

さて、今回の答案を見ていても分かるのですが、皆さん本当に「極めて自由」に書こうとしますよね。

今回、Excellent であった ロドリゲス さんの答案 は、非常にシンプルですが、きちんと設問に回答し、そして「第三者にわかりやすく説明しよう」という姿勢がにじみ出ています。
こうした論文を書くことが、すなわち「合格する小論文を書くこと」なのです。

そのためには、適切な指導で練習を積むことが重要です。

まずは無料体験授業から、始めてみましょう❢

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